「梅雨明け」

近年すさまじい水害が各地に起こるようになっています。地球温暖化の影響、といってしまえばそれだけですが、新型コロナといい、世界中が混乱しまたく困ったものです。
吾々茶人は、梅雨明けを待って「灰洗い」を行う頃なのですが、いっこうにカラッとした天気になりません。暑いときは暑く、寒いときは寒く、降るときは降る、降らないときは降らない、天候は順調なのが一番です。

毎年、100Lほどの炉灰を家内と洗って干して篩っての作業をしています。炎天下で行う一連の作業ですのでくれぐれも気をつけて行っているのですが、これが終わらないことには秋は迎えられないと、土用におけるわが家の年中行事です。


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令和二年6月16日(火)

無事、今年の展示会「心静かに茶道具を楽しむ会」も終了、皆様のお陰でつつがなく良き会となりましたことを感謝申しあげます。
ありがとうございました。

さて、梅雨入りをし、日本ではコロナの感染がやや落ち着きを見せ茶会は行えないにせよ「お稽古」がぼちぼち復活してきたようです。
裏千家の家元は、大正時代スペイン風邪がはやった事による濃茶のまわしのみ対応策としての「各服点」(=濃茶を一人分を一碗ずつ各々に点てる点前。)の話が出て参りました。
その後永らく顧みられなかったのですが、ここへ来て新たの考え方として注目されているようです。100年前の作法はいささか難解で、不便な事もあり廃ってしまったのかもしれません。
いっそ「重ね茶碗」や初釜の濃茶宜しく次々と点てて、飲み終わった茶碗の回収をスマートに出来るようにするだけでも出来るのではないかと思いますし、点前作法ばかり余り堅苦しく考えずとも流儀を超えて可能な事に成りはにないかと愚考する次第ですが。どうでしょか。


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お稽古も自粛、それでも出来る事。

まだまだ先の見えないコロナ感染拡大、稽古場の閉鎖も相次いでいます。
新潟県の知事は「文化の救済」を訴えていますが、趣味の延長線みたいに思われている茶道はどうなんでしょうか?
教えていらっしゃる方も、習っていらっしゃる方も、炉風炉の切り替え時期の筈が何となく炉が終わって、風炉はいつから始められるのやら。

こんな時だからこそ、日頃なかなか出来ないことや、やったことのない「茶湯に関わること」してみませんか。

一つには「風炉灰」。まずは手入れから。これはひたすら「篩う」事です。ただし良い篩でなくてはいけません。目の粗い篩ではどんなに篩っても労力の無駄というものです。いくら時間があってももったいない。

灰がなければ、求めたらいい。じっと時が過ぎるのを待つのではなく、茶の道へ進む方法はお点前をすることだけではありません。稽古がないからといって腐らないで、良いお茶人の第一歩を進めて下さい。

 


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新型コロナ禍 大変です。

世界的流行のまっただ中 茶湯関係にも多大な影響がありますね。
茶会、研究会の中止は勿論 一部お稽古も自粛傾向にあるようです。
当ホームページも新しい記事などがんばってあげていきたいと存じます。
いつでも、どこでもお点前以外の茶湯は可能なことも 収束までがんばりましょう。


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学校茶道部の哀れな予算について

数年前の地元新聞での記事。大学生が茶道部に参加しての会話が主な内容でした。

大学に進学し高校から続けていた茶道部に入って一番うれしかったこと、といった内容でした。本人はいたって無邪気に「高校の茶道部では水でお点前をしていたので大学の茶道部ではお茶が点てられるのがうれしいです。」みたいな話がありました。彼女が通っていた高校は地元でも名門の伝統校、国立大学へも多くの卒業生を送り出しており、彼女も地元の国立大学へ進学した優秀な学生の一人でしょう。また戦前からの伝統校ですから茶道部の流儀も地元の流儀です。この「水しか出ない茶道部」の話は以前から聞いており、娘の友人も一旦入部したものの「水しか出ない」のでやめてしまった、ということは聞いていましたが、未だ改善されることなく「伝統」となっているようです。

往々にして文化部の予算というものは体育系に比べ少ないのは世の常(?)でしょうが、茶道部の予算というのは、地元に限ってかもしれませんが誠に少ないと言わざるをえません。
また、「学生なのだから」という理由らしいのですが、生徒に負担は掛けられないので、高い道具は持たせられない。とも聞きます。
「学生なのだから経費の掛かる用具は持たせられない」とするといくらぐらいまでが「適正」なのでしょうか?

小生、高校生時代、恥ずかしながら「美術部」に在籍しておりました。油絵がしたくて入っていましたが、たいした活動は出来ずに卒業したことは言うまでもありません。たいした部活でなかったかというと同期にプロの絵描きになったのがおりますのであながちだめでもなく、後輩にもプロの漫画家が輩出しています。それはさておき、端くれであれ何であれ「美術部」で油彩をする以上「絵の具箱の中身」ぐらいはいりますし、「キャンバス」がなければ絵は描けません。

四十年以上も前の話ではいくらだったかは覚えてもいませんが、近年の様子はどうなのでしょうか。
ネットでの内容ですが参考にすると
※部活の費用は、キャンバスの大きさや、描く速さによって、ひとりひとり異なるため、基本的には個人で用意することになっていますが、 最初に油絵の道具を揃えるのには5000~1万円程度かかるようです。
キャンパス、絵具、筆等の画材は消耗品で、特に絵具はピンキリです。 その他、春夏の合宿費用等が、別にかかります。

ということで、入部当初は5000~1万円程度かかるようですし、油彩の場合キャンバスは作品ごとですから、その出費はかさみます。十枚で二万円程度のようです。

当社で毎年納めている中高生向けの持物セット一式は 帛紗、古帛紗、扇子、楊枝、懐紙、数寄屋袋を揃えて、7000円程度です。この中でも「帛紗、古帛紗」は正絹です。平均的な予算と言って良いでしょうが、当店以外で仕入れている学校関係者や、多くの学生さんは「正絹の帛紗」でお点前をしていません。
当社での販売価格は数百円の「タッサ」と呼ばれる人絹製の帛紗(当店では間違っても御客様に売りません、これは道具を展示する際に下に敷く敷物用)を千数百円で買わされています。合計でも3000円以上は出せない、といった雰囲気らしいです。

それでは、その他の中学校と高校でかかる部活費用はいくらくらいなのでしょうか。
文部科学省の調査では、部活費用や運動会など「教科外活動費」の年間平均は

「中学校で4万4164円、高校で約4万4520円です。

月々に換算すると中学校は月額3680円、高校は月額3710円の費用がかかることになります。

<教科外活動費の年間平均値>

公立        私立      平均
中学校      3万1319円    5万7008円   4万4164円
高校(全日制)   4万4276円    4万4764円   4万4520円

中学校全体と高校全体を比べると大きな費用差はありませんが、公立中学と私立中学では

約1万円の差が生じています。私立校は部活動が盛んな学校が多く、運動会などの年間行事でも費用がかかりやすいことからこうした費用差が生じているのかもしれません。
ただ、公立校でも部活動が盛んな学校もあれば、特定の運動系クラブに力を入れて強豪校といわれている学校もあり、部活費用は学校やクラブによりケースバイケースといえるでしょう。」

ということなので学校や部活によってはもっと掛かるようです。

参考にスポーツ部を中心に見て見ると

「娘はバドミントンで、他の部活よりもはるかに諸経費の係る部活でした。
部費が月2千円(年間2万4千円)、試合の遠征が年に3回、バス代のみ都度千円(合計年間3千円
合宿が年1回、ホテル代1万円 ラケットが2万円(比較的高いクラスのラケットでした)
ガットの張り替えが年間4回くらいで5千円  靴が1万円 ユニフォームが1万6千円×2着
初年度で10万位ですね
ただ、ラケットは3年間同じ物、靴はもう1足しか買いませんでしたし、3年生は早々に引退ですので費用はほぼかかりませんでした。 」

「陸上部も4~5万最初にかかりました。月々の積立てはありません。」

「剣道は7万と書いてあり 吹(奏)部は楽器を自費で買うので20万はかかるのでは。
野球と吹(奏)部は月々6000円かかるみたいです。美術が一番安いみたいです。」

「うちの息子は水泳部に入部しましたが、こちらもまぁまぁ…。
水着とゴーグルとバスタオルあれば十分じゃーん、とか思ってましたが、そうでもなかった(泣)。
まず、ジャージが高い。無駄にスポーツブランド品(ミズノだのアリーナだの…)にネーム入りなので、ジャージ上下、Tシャツ、短パンで約3万円
何ならジャージの上だけで学校ジャージの上下とも買えるお値段でした。
幼稚園年中から8年間、週1レベルでスイミングスクールに通ってて競技用水着が高いのはスクールで経験済みでしたが、練習用水着も2~3着、タオルも帽子も同じだけ要ります。ゴーグルも競技用に買い替え。
練習用具も個人用に購入した物があり、結果全部ひっくるめて5万円くらい吹っ飛びました…(泣)。
練習用水着は何でも良いので、安物の型落ち品とかで大丈夫ですけどね。
ちなみに部費は年間12,000円。大会参加費も別にかかります、何種目出るかで金額も変わります。
学校のプールで練習できるのは夏場(5~9月)だけなので、それ以外(10~4月)は市営プールや民間の温水プールを借りて練習するので、利用料や交通費が必要です。」

「うちの子は剣道部に入っているのですが、色々と揃えると10万円かかります。
他の方もおっしゃっていますが、剣道部はとにかく初期費用がかかります。竹刀もしょっちゅう買い換えです(1本2千円くらいから買えます)。
うちの子は、小学生時代から道場にも通っているのですが道場用の防具類や袴・道着も全て買い換えたので、こちらも10万円かかりました。よって、あっという間に20万円飛んで行ってしまいました~。」

サッカー部 部活費用(初年度)
入部にかかる諸費用* 約5000円~1万円程度
部費 約1万円~6万円程度(学校によりかなり差がある)
•夏用、冬用の練習着&スポーツバッグ* 約2万~5万円程度
•スパイク(練習用と試合用で2足)* 約2万円程度
•キーパーグローブ(消耗品のため2セット)* 約1万円程度
•自宅練習用のサッカーボール* 約3000円程度
•試合用ユニフォーム* 約2万~3万円程度
•練習や試合の移動に伴う交通費、遠征費 約3万円~12万円程度(学校によりかなり差がある)
•合宿費(年2回程度と仮定。学校によりかなり差がある) 約5万円~10万円程度

サッカー部年間費用:合計約16万8000円~40万3000円

うち初期費用* :合計7万8000円~12万3000円

初期費用抜きの月々の部活費用:月額7500円~約2万3000円

*入部にかかる諸費用+練習着、スパイク、グローブ、サッカーボール、ユニフォームは初期費用としていますが、諸費用以外は消耗品なのでこれ以上かかる可能性もあります
男子から人気のあるサッカー部は初期費用が10万円前後かかります。

初期費用とは別に毎月かかる部活費用は月額約7500円から2万3000円程度ですが、遠征費などは試合の状況で変動するためこれより少なくなる場合も多くなる場合もあります。

ということで  運動系クラブの初期費用目安

•入部にかかる諸費用  約5000円~1万円程度
運動着(ジャージ、シューズなど)  約2万~3万円程度
道具代(ボールや野球のグローブ、テニスのラケットなど)約1万5000円~3万円程度
試合用ユニフォーム 約2万~3万円程度
初期費用合計:約6万円~10万円程度
 初期費用抜きの月々の部活費用:月額7500円~約2万3000円

次は、女子に人気のあるソフトテニス部の部活費用の目安をご紹介します。

ソフトテニス部 部活費用(初年度)
•入部にかかる諸費用
約5000円~1万円程度*
•部費 約1万円~6万円程度(学校によりかなり差がある)
•夏用、冬用の練習着(サンバイザーなども含む)&スポーツバッグ* 約2万~3万円程度
•テニスシューズ(練習用と試合用で2足)* 約2万円程度
•ラケット(2本+ネットの張替代)* 約2万円~3万円程度
•自宅練習用品など* 約2000円程度
•試合用ユニフォーム* 約2万~3万円程度
•練習や試合の移動に伴う交通費、遠征費 約3万円~12万円程度(学校によりかなり差がある)
•合宿費(年2回程度と仮定。学校によりかなり差がある)約5万円~10万円程度

ソフトテニス部年間費用:合計約15万7000円~40万2000円
うち初期費用* :合計8万7000円~12万2000円
初期費用抜きの月々の部活費用:月額約5800円~約2万3000円

*入部にかかる諸費用+練習着、テニスシューズ、ラケット、自宅練習用品、ユニフォームは初期費用としていますが、諸費用以外は消耗品なのでこれ以上かかる可能性もあります

女子から人気のあるソフトテニス部も、サッカー部と同様に初期費用が10万円前後かかります。

初期費用とは別に毎月かかる部活費用は月額約5800円から2万3000円程度です。
遠征費などは試合の状況で変動するため、これより少なくなる場合も多くなる場合もあるでしょう。

また、女子中学生といえば身なりも気になってくる年頃です。

炎天下で活動するソフトテニス部では日焼け止めや汗対策、熱中症対策グッズが必需品で、試合が多くなるほどにこうした消耗品類の費用がかさみます。

女子の場合はリストバンドやサンバイザーなどのデザインやブランドにこだわる子も出てくるので、こうした費用も込みで予算を見ておきましょう。
運動系クラブは運動着などがなければ練習できませんので、どうしても初期費用がかかってしまいますね。対して、制服でできるイメージのある文科系クラブの初期費用はどうでしょうか。

文科系クラブの初期費用目安

文科系クラブといえば吹奏楽部や美術部、最近ではパソコン系のクラブまで、学校によっても多種多様です。
クラブによって利用する道具代が異なるため、費用がほぼかからないパソコン部から楽器代が高額になる吹奏楽まで、クラブによる費用差がかなり大きくなっています。

•入部にかかる諸費用 約5000円~1万円程度
•道具代(※クラブによる差が大きい)約0円~数十万円程度
発表会、コンクール用の衣装など 約2万~3万円程度

初期費用合計:約0円~数十万円程度(クラブによって※ぴんきり

上記の費用はあくまで目安で、学校や入部するクラブによって部活費用は大きく異なります。
また、初期費用とは別に毎月の部費、試合や発表会時の交通費や遠征、合宿費、親同士も含めた懇親会などの費用がかかる場合もあります。
部費や懇親会は学校によって差がありますし、交通費や遠征費は試合にどこまで勝ち進むかでも変わってきます。 つまり、部活費用にかかる正確な金額は入部してからでないとわからないのです。

ということで、スポーツ部は何せ用具やユニホームにお金が掛かる上に、試合の遠征費は当然実費を請求される。このことに関しては父兄も文句を言いながら出費は「子供のため」と言いつついとわない。
一方、文化部は「こんなことしていて将来どうなるんだろう?」と思っているかどうかは分かりませんが、基本、吹奏楽部を除く文化部には出費をしてはならない、と強く思い込んでいる父兄のなんと多いことか。運動部をしていたところですばらしい未来が約束されるわけでもないだろうに、これを「文化度の低さ」と言わずになんと言うのだろうかと愚考します。

茶道部の経費として「茶菓費」が上げられます、お茶とお菓子の費用です。
薄茶一服一人 2g必要な所、節約して 1.8g として 部活活動日を例えば

週一回、長期休暇(夏休みなど)や試験日など考慮し年間活動回数 30回 と考えると

1.8g × 30回 = 54g が必要です。

抹茶予算 を最も安価な薄茶(40g、1.296円)で割り計算すると  約 1750円 となます。

お菓子も茶道にとって教材の一つです。
お菓子の平均価格は 270円(税込)として × 部活活動日 年間30回 として約 8100円となります。

年間わずか 約 9850円 程度、1万円未満となます。

これは「飲食に用いる金額」ですので 自己負担は当然と考えられるのですが、学校の対応は様々です。
スポーツ部であれば、「経口補水」のための飲料(スポーツドリンクなど)は部費であれ、自己負担であれ実費です。
部活帰りの買い食いは青春の良き思い出ですが、部費以外の出費であることは違いありません。育ち盛り、食べ盛りの男子スポーツ部のそれは遙かに一食分の食費を上回ることは多くの人が経験済みでしょう。多くの運動部は毎日練習をするのが常、これを「経費」とする莫大な金額(あくまで文化部に対してですが)になります。

部活動において文化部の地位は運動部のそれに比べて遙かに低くみられ、「たかだか文化部のくせにそんなに金が掛かるのか?」と蔑すむ父兄に対して、担当の教員や茶道指導者も「左様でございますね、運動部は勿論、文化部でも吹奏楽部のようなご立派なピンな部活とは違い、茶道部のごとき些末でちんけなキリの部活はお金が掛からないように致します。」と予算や部費を取らない結果が、前述の「水でお点前」の高校生の出現となるのです。この学校の「茶道部」のことを我々は、お茶ではなく水でやっているのだから「水道部」と呼んでいます。どうして「茶道部」は経費が掛かってはいけないのでしょうか?

続きは次回に。

 


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