逆勝手の点前などなかなかすることはないはずですが、
修練として行うには、おもしろいものだと思います。
表千家の方にいわせると「広間の逆勝手などするものじゃない」
といったご意見もあるようですが、
実際に茶室がそうなっていれば 致し方ない訳です。
実際に逆勝手の広間の茶室は存在しないのでしょうか?
利休が東大寺四聖坊に建てたという茶室は
四畳半の逆勝手でした。四畳半は広間、小間どちらとも属さないのですが、
広間としての活用ができます。
この茶室は利休初期のものといわれ紹鴎の茶室に酷似していました。
当時は「右勝手」とよび、
本勝手である「左勝手」と同じように用いられていたようです。
利休の茶湯が完成に向かうと徐々に「左勝手」が主流となり
やがて「本勝手」と呼ばれるようになったようです。
基本的に和室は障子や襖で仕切られていますので、
いろいろなところから出入りができます。
いわゆる茶湯でいう広間はこのような構造の和室でしょう。
故に無理に逆勝手をしなくとも「本勝手」として用いることができるのです。
逆勝手は客にも「逆勝手の作法」を強いるものとなり、この辺は流儀によっても
本勝手に比べ大きく動作が異なる場合もあります。なかなかに迷惑なものです。
ですから、大寄せの茶会など広間を多用し、様々な流儀が訪れる場合など
あえて、逆勝手を試みることは敬遠されるのが一般的なのです。