第四回を迎えた茶道文化検定。新潟市でも三回目となりましたので、一級を受験された方も増えたようです。大変結構なことです。
自身の茶湯の知識がどのレベルに達したかを客観的に視る基準がなかったときに比べ格段の進歩ではないでしょうか。
一方、出題される内容や、点数配分にいささかの疑問が残る人々も多くあるようです。
ことに「茶業」に関しては茶道にとってそれほど重要な事柄でないにもかかわらず、点数配分で重きをなされているのはなぜなのか?疑問を呈しておきます。
暗記重視の傾向が見て取れるのは、出題の方法で、合格するためにはそれでいいのかも知れませんが、問題集の問題そのもの出題も多く、茶湯全般の知識としてはいかがなものでしょうか。
今回特に気になったのは、菓子の出題で「饅頭」に関する部分。
日本に薯蕷饅頭となる菓子の文化をもたらした「林淨因」を求める問題までは良いでしょうが、それを献上した人物として「後村上天皇」を答えとして出題するのは、茶湯にとって、あるいは茶菓子にとってそれほど重要でしょうか?これは南北朝最中の微妙な時期でもありますし、伝説の域を出ない事柄でしょう。
これを持ち出すのであれば、茶湯と関係の深い「足利義政」が「日本第壱番本饅頭所林氏塩瀬」の看板を与えた、という方が茶湯に近いともいえないでしょうか?
検定として「茶道」を謳う以上、茶湯(茶道)に近いものを優先に出題をして頂きたいものと思います。その点でいうと「茶道史」や「茶道具」についてはいささか軽い扱いかと思われます。
点数配分についていえば、「茶業」は5%以下で充分に思えますが、皆さんはどうおかんがえですか?