佐々木昭楽
1944年 京都に生まれる。1962年 父、二代松楽に師事
赤楽、黒楽といった楽焼の伝統を守りながら、茶陶として雅味のある作品づくりに力を注いでおられます。また観賞用ではなく、お茶席やご家庭で楽しくお茶が飲める茶碗づくりをモットーに作陶されています。初代樂長次郎や本阿弥光悦などの大家が生み出した楽焼の名物、その写し物を得意とされています。当代は三代目昭楽。
楽歴代写茶碗(上作)シリーズ
これらの作品は長次郎の現存する茶碗を造形のみならず釉薬の再現にも挑戦した意欲的なものです。また、お稽古場で使って頂くためにも、お求めやすい価格で提供頂きました。
古き茶人お心にも触れるかの様な茶碗です。
長次郎写(上作)佐々木昭楽 作品 長次郎 -> 詳しくは茶湯講座へ
今話題の長次郎茶碗 佐々木昭楽氏が再現しました。
平成25年12月に公開された映画資本賞受賞作「利休にたずねよ」において利休が実際に使用した万代屋黒茶碗がこの映画の撮影に手配されています。利休より娘婿の万代屋宗安へ渡った所からこの名称があるといわれます。
黒楽茶碗銘「禿(かむろ)」写
大詫びで気品が高く長次郎の作品の中で出色の茶碗で、典型的な宗易形の茶碗と言われています。
佐々木昭楽氏の写の中でも人気作品の一つです。
「一文字」(赤茶碗) 個人蔵
「一文字」の由来は、茶碗底部に「一」の字と花押を直書していることによりますが、まさに利休第一の茶碗として長次郎茶碗を代表する茶碗と言えるでしょう。作行きは、長次郎の典型作で、僅かに口を抱え込ませた静かな趣の茶碗です。
「俊寛(しゅんかん)」(黒茶碗) 重要文化財 三井文庫別館蔵 桃山時代
もっとも優美な茶碗。長次郎茶碗を語るなかで唯一、「美」という尺度で語ることができる茶碗といえようか。
口緑は薄く、わずかに波立ち、内側に抱え込まれる。左右の均衡をわずかにはずした動感、うっすらと面取られた腰部の箆。強い造形意識に導かれた張りと弛み、平面と曲面。その差異を極小にまで抑制したフォルム。薄く削り込まれた胎土に、なめらかな黒釉がわずかに鈍い光沢を放つ。 明け放された個性の表出とは異なり、禁欲的な緊張感がみなぎる。
「喝食(かっしき)」(黒茶碗)
「喝食」とは禅寺で食事をする際、給仕などに当たる未得度者のことです。作行きは、丸く貼っ腰から口部へと僅かにすぼまってゆき、全体に厚い。口緑は厚手で起伏が付けられている。
胴部は中央で締められ、高台は巾広くやや大振りで、兜巾は目立たない。見込みは広く僅かに茶溜まりが見られます。
「面影(おもかげ)」(黒茶碗) 楽美術館
山田宗偏銘「面影」。今はなき利休七種に数えられる「鉢開」に似ているゆえと石川自安が書き付けている。 腰を低く張り出し、口もとは強く内に抱えられ波打っている。釉下には烈しい箆が走っているはずだ。
美濃茶碗とも共通する造形表現。しかしその本質には大きな隔たりがある。
美濃茶碗のように、解き放った個性が踊る豪快な茶碗とはけっして言えぬ。そのあまりに小振りな丈、引き締った姿。それは寸法という概念を越えて、ある小ささにむかって収束していく意識のあり方、その方向を暗示させる。内へ。抑制され、常に己へむけられた剛直な視線と意思の深さが、静かに伝わってくる。
「紙屋黒(かみやぐろ)」(黒茶碗)
博多の茶人紙屋(神屋)宗湛の所蔵であったところから「紙屋黒」と銘されました。
全体に厚手に造られ、、口径の広い腰の張った、低い姿の茶碗で、胴部は箆で引き締められ、底部も数カ所篦の削り跡が残されています。
「本覚坊(ほんかくぼう)」(黒茶碗)
本歌は曲物の内箱蓋裏に元伯宗旦が「長次朗 黒 本覚坊(花押)」と書付、外箱には「長次邸黒茶碗元伯銘本覚坊両筆文添 旦(花押)」と碌々斎が書付ています。全体にやや厚作りの茶碗で丸みを持った作行きの静かな趣の茶碗です。
口部は、僅かに内に抱え込まれ緩やかな起伏をつけています。高台は小振りで低く、やはり畳付きには目跡が五つ残され、見込みには半円状の茶溜まりが見られます。
樂 道入(ノンカウ)写(上作) 佐々木昭楽 作品
樂家 5代 宗入写(上作) 佐々木昭楽 作品
宗入も長次郎の作行きを学び多くの作品を残しています。
「花筏」もそのような雰囲気を醸し出す代表的な茶碗の一つでしょう。
樂 宗入写(上作) 佐々木昭楽 作品
長次郎七種写(普及品) 佐々木昭楽 作品