茶湯の掛物をどう選ぶか
古来「書画骨董」などと言われ、掛物はコレクションの筆頭にも数えられます。また、各家々の床の間に飾り、家の格式すら表すものとして珍重されてきました。
近年の生活様式の変化により、床の間のない家どころか畳すらない時代になってきたことで、その意味合いが薄らいでしまっています。
勿論茶湯ではまだまだ重要な位置を占めているのは、うれしい限りです。
茶道講座で述べたように、日本では多くの種類がある「掛物」ですが我々の茶湯にとって相応しく使いやすいものとはどの様なものがあるのでしょうか。
そういった観念で、これから掛物を求めるのにはどの様な基準で選んだら良いのでしょうか、かんがえてみましょう。
現代では古い時代のから新作の掛け軸まで多く出回ってもいますし、価格もさまざまであるので、殊に最初に求める掛け軸としては何を求めたらよいのか迷うところではないでしょうか。
誰が書いた掛物か(作者を選ぶ=値段帯の決定、値頃で良いものを手にするために。)
次ぎの問題は、どのような掛け軸を手に入れることが出来るか。ということがあります。
晴山に聞かれるとしたら、「まず理想として求めたいのは古い大徳寺のもので極のしっかりしたものが一番よいでしょう。でなければ御家元筋が一番使い易いでしょう。」などと答えます。
ただし、古い大徳寺の掛け軸は当然今は書いた人は存在していませんし、この語句がほしい、といってもよほど探さなければ見つからないでしょうし、よいものは値段も張ります。もちろんお望みならお探ししますが、時間も価格もかかります。
でも、これからお稽古のために使いたい掛け軸ですので出来るだけ早く手にしたいのが人情です。
出来れば安価で手にしたとなると、やはり存命の方のものが求めやすいものです。以下の手順に従い、掛け物を選んで下さい。きっと永く楽しんで頂け満足できるお軸が手に入ります。