「真」「行」「草」と大まかな分け方をしましたがそれぞれ扱う時の格付けと、薄板の種類を決定する目安と考えて頂きたいと思います。台子、伝物の稽古のときなら「真」の花入が相応しいのではないでしょうか。
ただし、花入の場合、点前の「真・行・草」と花入の格付けの「真・行・草」とは必ずしも一致しません。
勿論、「台子」の点前には「真」の花入が相応しくはありますが、「行」の台子だからと言って「行」の花入は無理に用いませんし、「伝物」点前には「草」の花入を用いる場合もあります。
むしろこれらの手分けは、後に述べますが、それぞれの花入の格に従い薄板といって花入に敷く板(風炉の敷板と区別する名称)が異なることによって大別されるからでしょう。
「道具」としての花入はやはり、時代によってその重みを増します。「草」の花入である「伊賀」「信楽」「美濃伊賀」「備前」などは桃山期の物が最も珍重され、格調高く扱われます。
「竹」の花入はそれを切った人物により、やはり格調、格式を感じる物でしょう。
「古染付」「高麗青磁」「交趾」「安南」や「オランダ」など唐物に準ずる物で「真」として扱われますが、「唐銅」「青磁」物に比して些か軽く用いて「行」として扱っても構わないのではないでしょうか。
「ガラス」などの物も最近は見かけることもありますが、見立ては見立て「草」として扱うべきでしょう。