代表的な形のものから「真」「行」「草」それぞれ一点づつ位を揃え、他には「架けられるもの」と「置き」だけのもの、両方できる「竹の花入」や「釣船」「太鼓胴」など鎖で吊るすものなど幾種か揃えると良いでしょう。
竹の花入は稽古に使うものは無名でも構いませんが茶会などで使用するものは人格を現すためにも何がしかの「銘」のある物を使用すべきでしょう。
これらの手分け、使い分けをするためにも「茶室」あるいは「茶の湯で使う部屋の床の間」には、必要な「役釘」を必ず打ち、よほどの「小間」でなければ「畳床」にしておくべきでしょう。後からの手直しは大変ですので。
花入に入れる席中の茶花は、栽培種ではなく自然を茶室に取り込むといった意味合いからまた、日本風省略の美、不足の美、といった美意識から極小数、一枝に花ひとつくらいのものを活けます。
利休さんも「(茶花は)一色か二色軽く活けたるがよし」と残されていますので、くれぐれも「流儀花(華道の生け方による生け方)」にならないようにしたいものです。花の種類に関しては「花入に入れざる花ハ、ちんちゃうけ(沈丁花)太山しきミ(大山しきみ)にけいとう(鶏頭)の花」と利休の狂歌にもあり、また南方録では「女郎花(おみなえし)さくろ(石榴)かうほね(河骨)金銭花(金盞花)せんれい花をも嫌也けり」とも言われています。匂の強い花、けばけばしい花、名称の良くない花、実のなる花も避けます、しかし禁歌に歌われている花でも茶室に似あう花であれば上手に使い趣向を盛り上げる事も出来るでしょうが、あくまでも基本を守る事を旨とすべきでしょう。