また、柄杓を立てて置く場所(器)として同時に火相を整える火筋、即ち「火箸」を立てておく場所にもなります「杓立」が出現するのは皆具の成立と共に比較的早い段階です。「唐銅皆具」の中で用いられたものは、先に「皆具」の項でもお話ししたとおり、「花入」からの転用でした。「杓立を用いる点前」が他の「運び点」や「小棚点前」に圧倒される時代になり顧みられる事が少なくなり、唐銅の杓立以外は一部千家の好みにより「楽焼」などの杓立を見るのみです。近世になって立礼等でその必要が現れ、むしろ華やかなものが好まれるようになったようですが「皆具」の中の物が主流です。
水指を除くと建水、蓋置等は席の中ではやや脇役的なイメージが強いように思われますが、それでいて存在を主張するものなので、神経を使って頂きたい物の一つです。
皆具以外は同じ性質、同じ色合いの物を使用せずバランスよく取り合せていく事が取り合せのポイントとなるのですが、茶道史上の時代背景やそれぞれの道具の格付、「真行草」等しっかり日頃の御稽古から気を付けながら身につけていくことが大事かと思います。