⑤流儀を明らかにする
箇々異なる石州流各派の伝承があることを踏まえた上で
共通する点前の意義を発掘、公表する事により使用する道具を明らかにする。
石州流では多くの流派に分派したことは前項でも触れましたが、
これほどまでに多くの分派をした後では
点前の統一などとても不可能である、と考えます。
それが故に点前の思想についてある種の
統一見解を出すべき時期にきてるのではないかと思います。
すなわち、例えば何のために「長板の六種類の点前を行うか?」
「大丸盆はどの様な道具組なのか」など
多くの不明解な点を点前の格式などを参考に
明らかにしていく形を取っていきたい、というのがこの
「石州流茶道研究報告」における一つの骨子としていきたいと思います。
「別会」の点前における意味と道具組
基本の点前をある程度習うと次の段階では「別会」という段階に入ります。
これは、道具自体に特別なもの=唐物を用いたり、拝領物であったり、
今まで習得した点前以上の何らかの格式を伴った道具を扱うために行う点前ということになります。