石州流を学ぶ人のための茶道具基礎知識8 長板
長板の点前は石州流越後怡渓派では比較的早く習得することとなっています。多くは棚物の薄茶などが終わると「別會點前」に入る前に「長板点前六種」を習い出します。
濃茶点前を習得前に習うこともあり、長板点前の本質や意味合いが分からないまま進んでしまっていることが残念です。
点前習得を急ぐあまり「本来は濃茶の点前」であった物が薄茶で習ってしまっていることにより「点前の意義上の矛盾」が生じ、ますます混乱しています。
長板は武家茶道において重要な役割を果たしてきた最高の権威である
「台子点前」に連なる点前で大変格式の高いものです。
台子においては皆具と二ツ置(風炉 水指)の点前しか存在しないのですが、長板の点前においては皆具に含まれる道具を一つ一つを出し入れする事により、その格式を表現することとしたのではないかと考えられます。
長板六段(または炉・風炉合計の九段)の点前などがあります。長板の点前が多いのも石州流の特徴の一つです。
長板の点前に必要なもの
長板=利休形として炉、風炉の区別があり 炉・風炉に従い用いるとよいでしょう。
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皆具=唐銅が基本ですが、出来ればお流儀のものをおすすめいたします。
石州公好唐銅皆具があるのは 茶湯・晴山 だけです。
利休形と称するものもありますが、利休が所持していたものとは少し異なります。 陶磁器の皆具は近世(幕末)に成り登場するものでやはり唐銅がふさわしいでしょう。
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また、この後も「台子点前」には欠かせないものです。しっかりしたもの、正確なものをおすすめします。
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飾火箸=皆具で飾り付けた場合、火箸も専用の「飾火箸」を用います。
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ほかに 差し通りの柄杓なども用います。