第一期=割稽古、盆略点前でお茶を点て始めたら揃えてみたい道具。
お茶を習い始めて、「お金の掛かる趣味を選んでしまった」と感じた方もいらっしゃるかも知れません。
一方で、茶湯の楽しさは自分の好み道具を揃えることにもあります。
でも大丈夫、無駄なく、無理なく、かしこい茶道具揃えをして見てはいかがでしょうか。
まずはお茶を点てて、飲むのに必要な道具からお薦め商品をご紹介します。
「茶筅」=これがなくてはお抹茶は点てられません。
使い切りが基本ですが。お稽古用にはどうしたら?
※茶筅に関するくわしい説明は、→《茶筅》
「茶杓」=極端に言ってしまうと、お稽古用なら自分で削っても・・・。まずは一本。
※茶杓に関するくわしい説明は、晴山茶道塾で→《茶道塾、茶杓》
「茶巾」=清潔を旨として、流儀によっても異なります。
「茶碗」
最低限「茶碗」が、なければお茶は飲めませんのですでにお持ちの方も多いでしょう。
まず始めに求める茶碗として、比較的永くお点前に利用できるものとしておすすめできるのが、次に挙げる茶碗です。→《おすすめはこちら》
「楽茶碗」
利休が茶碗のために創らせた焼き物ですから初めて持つには最適の茶碗です。
初めて手にするならボール箱入りでもよいのですが、「黒」「赤」「飴」の釉薬(ゆうやく)があり、
それぞれ違う段階の作家で持っていると、後々道具の格を知ることが出来ます。
最初に手に入れるなら、
絵の描いてある物、平茶碗や筒茶碗など形の変わった物ではなく、
まずはスタンダードな形の「黒」か「赤」茶碗がまず一つあるとよいでしょう。
楽茶碗に関するくわし説明は、晴山茶道塾で→《茶道塾、樂茶碗》
お急ぎの方は→ 《おすすめはこちら》
黒楽のきず?=【鋏(やっとこ)のはさみ跡】
千利休が指導し、長次郎に作らせた楽茶碗は、お茶を喫する為に作られた最初の和物茶碗と云われています。また楽茶碗の中でも黒楽は、他の焼き物とは、窯及び、焼き方がまったく異なっています。窯の中を1200度近くの高温に保ちながら釉薬を施した茶碗を長いペンチのような鋏で、茶碗の縁を、はさんで窯の中に入れます。3分から5分焼成後、真っ赤に粕薬が溶けたところで、再び茶碗の縁を鋏ではさんで窯より出します。その時、溶けた茶碗の縁に『はさみ跡』と言われる凹みが出きます。釉薬の溶けた茶碗が外気に触れることにより釉薬の温度が急激に下がります。この温度の変化が釉薬を黒く発色させます。楽家歴代では、代々使う鋏を変えていると云われています。ですから、古く茶人の間では、溶けた釉薬をはさみ出す、はさみ跡を景色と見立て、また作者の特徴をあらわす印として『はさみ跡』は、興味深く見られています。
「萩焼系茶碗」
萩焼は毛利藩の指導の元「濃茶茶碗」を創ることを目的とした窯です。
勿論、薄茶にも使います。
まずは濃茶、薄茶どちらにも使える物をお求めになるとよいでしょう。
すなはち楽茶碗と同じで、平茶碗や筒茶盌はとりあえず
避けておけばおおむねね、いつでも使えて便利です。
現在では、手頃な物からありますので、
濃茶にも使える大振りの物がよいでしょうが、
手重りが軽い物がお奨めです。
萩茶碗に関するくわし説明は、晴山茶道塾で→《茶道塾、茶碗》
お急ぎの方は→ 《おすすめはこちら》
「唐津焼系茶碗」
唐津焼は朝鮮半島の技術で焼かれた日本の窯です。
利休時代から始まり、、茶の湯に適した茶碗を多く作っています。
絵唐津や朝鮮唐津などは薄茶の方がふさわしいかもしれません。
これも、手頃な物からありますので、
濃茶にも使える大振りの物がよいでしょうが、
手重りが軽い物がお奨めです。《おすすめはこちら》
唐津茶碗に関するくわし説明は、晴山茶道塾で→《茶道塾、茶碗》
「高麗系茶碗」
茶湯の茶碗として理想の焼き物といわれる
「井戸茶碗」を始め「三島」「刷毛目」「粉引」「斗々屋」
「蕎麦」「呉器」「金海」「堅手」「熊川」「伊羅保」「御本」など
多くの種類がありますが、
本物は、約三百年前に全ての生産が終わっています。
お稽古用としては勿論写し物などでよいのですが、
「本物」をよく勉強してから手に入れるとよいでしょう。
高麗茶碗に関するくわし説明は、晴山茶道塾で→《茶道塾、茶碗》
お急ぎの方は→ 《おすすめはこちら》
これから、「道具を知ること」は大切な稽古の一つになっていきます。
追々お話ししていきます。
そのほかの茶碗に関する考え方。
上記の茶碗が「濃茶」の稽古でも使え、
永く用いることの出来る茶碗の良い例でしょう。
そのほかの茶碗、たとえば
「仁清写」「乾山写」など色絵の茶碗。
「志野」「織部」「染付」「青磁」ほか絵の付いた茶碗などは
「薄茶」にふさわしい茶碗ですから、お持ちになることはかまいません。
ただ、最初に持つ茶碗としては使える幅が狭いので、
取り敢えず上記の範疇から選択することをおすすめします。
お茶碗に関するくわし説明は、晴山茶道塾で→《茶道塾、茶碗》
※逆に避けたいのは以下のような茶碗です。
ex.1 「お土産品」=
昭和時代、陶芸を産業としていた地域では、
茶湯ブームに乗っかり、どこでも、かしこでも「抹茶茶碗」を焼いて、売っていたものです。
茶湯には四百年の歴史がありその間に、各地の窯場と深く関わり、
「茶盌窯」「茶入窯」と分けられるほど厳密な決まりがあったほどです。
その伝統と茶湯に関する知識のないまま、
茶盌の格好をしたものを造って売っていても、「お茶を飲む器」として使えても、
「茶道具」とはならない場合が多いのです。
「旅の思い出」も結構ですが、
少ない投資で有効な茶道具揃えのために、
茶湯との関わりが不明な窯の茶碗はこの際、
ぐっと我慢しましょう。まだまだ先は永いのです。
あわてない、あわてない。
ex.2 「有名作家先生の作品」=
「この先生は大変著名な方で、ぜひ、お持ち頂きたい。
将来値が上がりますよ」なんて勧められても
、はたしてその「作家先生」が茶湯との関わりがどんなものなのか、
確かめない内は、ちょっと待った。
かの北大路魯山人先生といえども、食器はともかく、
「茶湯の茶盌」となると・・・・。また、
多くの民芸系の陶芸家も茶盌苦手と本人が言っているぐらいです。
単に「有名」だからでは、茶盌としては「?」です。
当然「高価」ですからまず、入口として不向きでもあります。
安くてつかえる茶盌はまだまだありますよ。
「棗」
まず、稽古はじめに「帛紗捌き」を習うとき、
最初に扱う茶道具が「棗」です。
中棗を用いるのが基本になるのは流儀を問いません。
「黒中棗」、これを基本と考えて、まずは、持っているとよいでしょう。
「黒中棗」は扱い方の基本を身につける上で最適な物になるだけでなく、
大きさの基準でもあり、包帛紗、大津袋、あるいは仕覆を用いることで
濃茶にも用いることがあり、永く用いることが出来ます。
ですから、出来ればプラスチックや手頃な物よりややしっかりした、
塗り物を手にすることをおすすめします。
※棗に関するくわし説明は、晴山茶道塾で→《茶道塾、棗》
「建水」
建水に特定の決まりはありませんが、そうであるが故に、
他の道具組と重なりにくい「唐銅」の物をまず、お奨めします。
まずは「利休形唐銅餌畚建水」これを基本と考えて、
持っているとよいでしょう。
※建水に関するくわし説明は、晴山茶道塾で→《茶道塾、建水》
「お盆」=
初歩の習い事ではお盆を使った
簡単な点前を習うこともあります。
裏千家淡々斎のお好である千歳盆は応用がきき、
便利な「茶櫃」代わりにもなるものです。